はじめに

Amazon Vine(先取りプログラム)の運用ルールが改定され、レビューのカウント方法と保持数 に明確な制限が設けられました。
「子ASINを後からまとめてバリエーション化 ⇒ レビューを合算」という従来のテクニックは、今後ほぼ機能しなくなります。短期で評価を集めたいセラーにとっては実務への影響が大きいため、ぜひチェックしておきましょう。

1.レビュー集計は「親ASIN」ベースに一本化

これまでは、

  1. 色・サイズ違いを 個別の子ASINとして Vine登録
  2. レビュー獲得後に バリエーション統合

    という手順で “レビュー合算” が可能でした。

今回の改定後は、統合しても子ASIN側の Vineレビューは親ASINに合算されません。つまり、あとからカラー追加しても制限数内のレビュー数にとどまります。

2.登録区分ごとに「保持レビュー数」の上限あり

AmazonVineのレビュー区分と保持可能なレビュー数の一覧です。

登録区分登録可能商品数レビュー保持上限登録費用(税込)
無料1〜2 点最大 2 件0 円
中間3〜10 点最大 10 件10,000 円
上位11〜30 点最大 30 件22,000 円

ポイント

  • 上限を超えて取得したレビューは表示されません。
  • 複数の親ASINを後でまとめても、保持できるレビュー数は 区分上限 “30 件” が最大です。

3.レビュー合算の最大表示例

▶ケース1:上位×上位 → 最大30件

 ASIN A(30レビュー)+ASIN B(30レビュー)→ 統合後:親ASIN C = 30件まで表示

▶ケース2:中間×無料 → 最大10件

 ASIN A(10レビュー)+ASIN B(2レビュー)→ 統合後:親ASIN C = 10件まで表示

▶ケース3:無料×無料×無料 → 最大2件

 ASIN A/B/C(各2レビュー)→ 統合後:親ASIN D = 2件まで表示

4.推奨する Vine 登録フロー

初期段階でバリエーションを確定
 色・サイズ展開が見えているなら、最初から“親ASIN単位”で Vine 申請。

▼登録は上位区分を使おう
 今後を考えるのであればMAXまで枠を確保しておいたほうがよい

▼統合を検討中の既存 ASIN は慎重に
 すでに上位区分で Vine 登録した ASIN 同士の場合、統合後のVineレビュー表示は 30 件が上限。合算メリットは期待できない。

5.Vine 以外のレビューはどうなる?

今回の変更は 「Vineプログラム」のレビューが対象 です。オーガニックレビューは従来どおり合算表示されますが、Amazon ルールは度々更新されるため、定期的に状況をウォッチしておくことをおすすめします。

まとめ

  • Vineレビューは 親ASIN単位・区分上限まで表示に改定
  • 後からバリエーションを組んでも Vineレビューは合算されない
  • 登録時は 上限を逆算して区分を決める のが得策

短期間でレビューを集められる Vine は、いまでも強力な施策です。しかし、ルールを誤解したまま登録すると “表示できないレビュー” が発生してしまう恐れがあります。どの区分に当てはまるのかをチェックしてから Vine 申請 するようにしましょう。

※本記事は 2025 年5月時点の最新ガイドラインを基に作成しています。
ルールは随時更新されるため、必ずセラーセントラルの公式ヘルプで最新情報をご確認ください。

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著者プロフィール

齋藤 英一(さいとう ひでかず)
株式会社ウェルボン 東京支社長
Amazon運用支援事業 統括責任者

  • 2009年 株式会社ウェルボン入社
  • 2018年 Amazon運用支援サービス「Salesdoctor」を開始
  • 2024年 Amazonふるさと納税中間事業者サービスを開始
  • 支援実績 延べ 250社以上 の出品事業者・年間 25,000 ASIN を運用
  • サービス範囲 広告最適化/商品ページ改善/物流支援まで ワンストップ で提供
  • 登壇歴 アマゾンジャパン共催セミナー 32回(2025年1月時点)
  • 教育事業 Amazon出品者向け教育プログラムを企画・運営

「Amazon運用に悩むすべての方をサポートする」をモットーに日々活動してます。