
重要な変更点のお知らせ
Amazon出品者の皆様にとって重要なお知らせがあります。2025年6月2日より、Amazonクーポンの料金体系が全面的に刷新されました。
これまでの「1回60円固定」から、「定額150円 + クーポンによる売上の1.5%」という二段階課金制度へと変更されています。この変更は、多くの事業者様の販促戦略に大きな影響を与える可能性があります。
本記事では、新料金体系の詳細と、それに伴う最適な対応策について詳しく解説いたします。
新旧料金体系の比較
旧ルール(〜2025年6月1日)
- 課金方式: クーポン使用時のみ課金
- 料金: 1回の使用につき60円(固定)
- 特徴: 掲出しても使用されなければ費用は発生しない
新ルール(2025年6月2日〜)
- 課金方式: クーポン作成時に基本料金 + 使用時に売上連動料金
- 料金: 150円(基本料金)+ 売上の1.5%(使用時)
- 特徴: 作成時点で必ず150円が課金される
この変更により、クーポンの費用対効果を事前にしっかりと検証することが、これまで以上に重要になりました。

影響度シミュレーション
新料金体系がお得かどうかは、商品の単価と引き換え回数によって大きく異なります。以下に具体例をご紹介します。
ケース①:低単価商品(2,000円)
条件設定
- 商品単価: 2,000円
- クーポン割引: 200円(10%OFF)
- 引き換え回数: 20回
旧ルールでの費用
- 60円 × 20回 = 1,200円
新ルールでの費用
- 基本料金: 150円
- 売上連動料金: (2,000円 × 20回) × 1.5% = 600円
- 合計: 150円 + 600円 = 750円
結果: 新ルールの方が450円安い
ケース②:高単価商品(6,000円)
条件設定
- 商品単価: 6,000円
- クーポン割引: 600円(10%OFF)
- 引き換え回数: 10回
旧ルールでの費用
- 60円 × 10回 = 600円
新ルールでの費用
- 基本料金: 150円
- 売上連動料金: (6,000円 × 10回) × 1.5% = 900円
- 合計: 150円 + 900円 = 1,050円
結果: 新ルールの方が450円高い
商品カテゴリー別の対応戦略
低単価商品(3,000円未満)の場合
推奨アクション: クーポン施策の継続・強化
理由
- 新料金体系でもコスト効率が良い
- 引き換え回数が多いほど旧ルールとの差額が拡大
- 価格訴求による購買促進効果が高い
具体的施策
- クーポン割引率の最適化
- 配布期間の戦略的設定
- 複数商品でのクーポン展開
高単価商品(3,000円以上)の場合
推奨アクション: 代替施策への移行検討
理由
- 新料金体系では費用負担が増加する傾向
- 売上連動料金の影響が大きい
- ROIの観点から他の施策が有効な場合がある
代替施策の例
- 価格戦略の見直し
- Amazonポイント施策
効果測定と最適化のポイント
1. 事前シミュレーションの実施
新しいクーポンを作成する前に、必ず以下の計算を行いましょう:
新ルール費用 = 150円 + (予想売上 × 1.5%)
この金額が、期待される売上増加効果と見合うかを慎重に検討してください。
2. 引き換え率の向上施策
基本料金150円が必ず発生するため、引き換え率を高めることが重要です:
- クーポン条件の最適化
- 商品ページでのクーポン訴求強化
- 外部チャネルでのクーポン告知
3. 定期的な効果検証
- 週次・月次でのROI測定
- 競合他社のクーポン動向調査
- 代替施策との効果比較
ビッグセールでの活用法
プライムデーやブラックフライデーをはじめとするビッグセール期間では、クーポンの効果が特に高まります。
新料金体系下でも、以下の条件が揃えば積極的な活用をお勧めします。
活用推奨条件
- 予想引き換え回数が20回以上
- 商品単価が3,000円未満
- セール期間中の売上目標達成に必要
注意点
- セール期間中は競合も多くクーポンを展開するため、差別化が重要
- 在庫切れリスクを考慮した配布数量の設定
- セール終了後の効果測定と次回への活用
まとめ
Amazonクーポンの新料金体系は、「低単価商品には追い風、高単価商品には要検討」という明確な構図を生み出しました。
重要なのは、感覚的な判断ではなく、数字に基づいた戦略的な意思決定を行うことです。事前のシミュレーションを必ず実施し、貴社の商品特性と事業目標に最適な販促戦略を選択してください。
Amazon運用における販促施策は、クーポンだけではありません。広告、ポイント、価格戦略など、複数の選択肢を組み合わせることで、より効果的な結果を得ることができます。
もしクーポン戦略の見直しや代替施策の検討でお困りのことがございましたら、Amazon公式パートナーである私たちSales Doctorまでお気軽にご相談ください。
貴社の商品特性に最適な販促戦略をご提案し、売上最大化をサポートさせていただきます。
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著者プロフィール
齋藤 英一(さいとう ひでかず)
株式会社ウェルボン 東京支社長
Amazon運用支援事業 統括責任者
- 2009年 株式会社ウェルボン入社
- 2018年 Amazon運用支援サービス「Salesdoctor」を開始
- 2024年 Amazonふるさと納税中間事業者サービスを開始
- 支援実績 延べ 250社以上 の出品事業者・年間 25,000 ASIN を運用
- サービス範囲 広告最適化/商品ページ改善/物流支援まで ワンストップ で提供
- 登壇歴 アマゾンジャパン共催セミナー 32回(2025年1月時点)
- 教育事業 Amazon出品者向け教育プログラムを企画・運営
「Amazon運用に悩むすべての方をサポートする」をモットーに日々活動してます。